ネットのソフト(無料サービス)を使えば所得税の確定申告書を英語のページで作成が可能です

(2021/3/21)

 

外資系企業の(外国人)社長さんは自身の給料が2000万円を超えることなどにより自分で確定申告をしなければならないことも多いです。その際、人事の方は会計事務所に依頼するのか自分でやるように言うのか悩むことも多いのではないでしょうか。会社としては源泉徴収等の必要なことをしていれば問題はないのですが、日本の税金のルール等がいまいちわからない社長さんの場合にはどうしたらいいのかわからないのではないかと思います。YouTubeでは給料が2000万円を超える場合のとてもシンプルな場合の確定申告書の作成方法をご紹介しました(文字が非常に小さく見にくくてすみません…)。

 

 

今回はこちらの動画の概要を紹介し、補足説明も少ししたいと思います。

 

英語で所得税の確定申告書を作成する大まかな流れ

  1. Google Chromeの翻訳機能をオンにして日本語ページが英語に翻訳されるようにする
  2. 確定申告書作成コーナーで必要な情報を入力
  3. 作成したPDFファイルを印刷して郵送で提出(2020年分については4月15日が期限です)
  4. 税金の納付はクレジットカード支払いサイトで支払い可能(納付方法は他にもあります)

 

これはもちろん公式な方法ではなく、翻訳にもいくつか問題(そもそも翻訳されない、税務署が「Tax  signature」になる、など)があるので、それを承知の上で使ってもらう必要があるのですが、税額の計算に関しては、必要な項目に正しい数字が入っている限りは正しい税額計算が行われるはずですので、その点ではおすすめできます。

 

住所は入れられない(と思われる)ので後で入れる

作成途中で自分の住所を入れることになるのですが、入力すると印刷するときにうまく表示されません(住所と関係のない文字が表示されます)。私のPC環境等に問題があるだけなのかもしれませんが、同じようにエラーになる場合住所については空欄にして印刷後(PDF化後)に入力することで対応はできます。

 

どこまでを翻訳ページで対応できるかは不明

所得税は個々の様々な事情があり、それに応じて必要な書類を作成することになりますが、それらがどこまで英語の翻訳ページで作成できるかはわかりません(確定申告書作成コーナー自体はとても良くできたサイトだと思います)。なので、給与が単に2000万円を超えるから確定申告をするというようなシンプルな場合の使用がおすすめです。

 

そもそもどういう項目を入れて申告するのかがわからない場合

外国人社長は日本の所得税の仕組み等を知らないことも多いかもしれません。その場合にはいきなり作成コーナーで作成するのではなく、どのような項目が税金に関連するのかを理解する必要があります。国税庁は毎年個人の確定申告の概要を説明したページを(翻訳ではない)英語で公開しています。長くて細かいところもありますが、まず概要を理解するには良いと思います。

 

おわりに

英語(その他外国語)で税金関係の書類が作成できるかどうかというのはまだまだ課題が多いと感じます。確定申告は「自分で」やることが前提になっている以上、様々な言語で作成できた方がいいのは間違いないです。実は給与の源泉所得税や年末調整に関する書類はいろんな言語で公開されているのですが、確定申告については多言語化がなかなか進んでいません。国籍に関係なく誰でも正しい納税ができるようにするためにも今後に期待したいと思います。