一時支援金の内容についてまとめました

(2021/3/15)

 

2021年3月8日から事業者への新たな支援金として「一時支援金」の申請が始まりました。前回の持続化給付金は(早く給付したいこともあってか)比較的シンプルな条件だったのですが、今回は少し判断に迷う部分もあるように思いますので、概要や注意点等についてまとめました。

 

給付対象者は?

  • 中小企業
  • 個人事業、フリーランス

(いわゆるサラリーマンやアルバイト・パートは基本的には対象外)

 

給付の要件は?

簡単に言うと、次の要件のどちらかを満たすと対象になると思われます(①ー⑤の全てを満たしているか確認してください)。

  • ①時短営業の対象の飲食店「以外」の事業者で、②飲食店の時短営業の影響で、③2021年1月から3月までの月のどれかの月の売上が、④2019年か2020年の同じ月と比べて、⑤50%以上減少した、

もしくは

  • ①外出自粛の影響で、②2021年1月から3月までの月のどれかの月の売上が、③2019年か2020年の同じ月と比べて、④50%以上減少した

この要件は判断が少し難しいケースもありますので、後で少し補足します。

 

 

給付金はいくらもらえるの?

①−②×3=給付額

①2019年または2020年の1月から3月までの売上の合計額②2021年の50%減少した月の売上

中小企業の給付上限は60万円、個人事業・フリーランスは30万円

申請はいつからいつまで?

2021年3月8日から5月31日まで

 

 

以上が一時支援金の概要です。自分が給付の要件を満たすかどうかが最も重要だと思いますが、いくつか注意点があります。

 

給付要件の注意点

そもそもですが、今回の一時支援金は2021年に発令された緊急事態宣言の影響を受けているかどうかによって給付対象かどうかをベースに判断することとなります。緊急事態宣言の対象となった地域は、栃木県、埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県、岐阜県、愛知県、京都府、大阪府、兵庫県、福岡県、です(すでに解除された地域も一部ありますが)。

これを踏まえて、要件の注意点を確認したいと思います。

 

1 飲食店の時短営業の影響を受けているかどうか

緊急事態宣言で時短営業が要請されている飲食店に対して商品を売ったり何かサービスを提供している事業者が対象になります。所在地が緊急事態宣言が発令されていない地域であっても対象となります。飲食店で提供される食料品・材料、食器などの備品を販売する業者、清掃業者や工事業者が対象者として想定されています。なお、飲食店自体は給付の対象外とされています。

 

2 外出自粛の影響を受けているかどうか

外出を前提とした事業を行なっている事業者が対象となる可能性があります。よって、対象となる事業者の業種は非常に幅広いと思われます。「直接」緊急事態宣言の影響を受けていると言われているのは消費者に対するBtoCの事業者ですが、その事業者に対して商品やサービスを提供している事業者も「間接」的に影響を受けているとして給付対象となり得ます。緊急事態宣言の地域外であっても対象になる可能性はあります。例えば、主に東京などの旅行者が多い地域の旅行関連の事業者であれば、(宣言外であっても)今回の緊急事態宣言の影響を受けていると言えるでしょう。逆に、緊急事態宣言の地域外のみで事業が完結している(地域外から地域外への旅行、など)場合には、今回の給付の対象にはならないと考えられます。

 

3 対象にならないとされているケース

2020年の持続化給付金では非常に多くの事業者が対象になったと思います。その理由の一つとして、給付要件がかなり曖昧だったことがあると思います。それもあってか、一時支援金の要件には対象外となる具体例がいくつか示されています。

  • たまたま売上が減ったのに給付を申請することはできない→緊急事態宣言の影響を受けたかどうかの判断が難しいケースもあるかと思いますが、緊急事態宣言の影響とはいえない場合には給付の対象とはなりません。
  • 売上の月の調整によって、売上の減少したとして申請することはできない→売上を何月に計上するかはある程度は調整できるケースもあるかと思いますが、そのような場合にはやはり不適切として、申請できません。
  • 海外からの顧客が減少したことにより売上が減少した場合には給付対象とはならない→海外の新型コロナウイルスの影響は日本以上に大きい国も多いですが、今回の給付は日本の緊急事態宣言の影響を受けた事業者を対象と考えているようです。それもあり、海外から日本に来る人が減少したことにより売上が減少した場合には、対象とはならないとされています。

 

4 その他(持続化給付金とは異なる点など)

持続化給付金の不正受給等の問題を考慮してのことだと思いますが、一時支援金は必要な書類・手続きが多少増えています。

  • 取引先情報:今回の給付対象者は「間接的に」影響を受けた事業者も対象になることがあります。その場合、取引先に対する売上が減少していることが確認できる必要があります。この書類で2020年(2019年)と2021年の取引先別の売上の比較を行うこととなります。
  • 影響を受けたことを示す書類:必要な書類は事業者によってかなり異なりますが、本当に緊急事態宣言の影響を受けたのかどうかが確認できる書類を保存しておくことが必要になります。具体的には、飲食店との取引の記録としての経理関係の書類(帳簿、通帳)や、緊急事態宣言地域内で営業していることがわかる店舗の契約書・店舗の写真、旅行客の5割以上が宣言地域内から来ていることがわかる統計のデータ、などがあります(下記参照)。

 

  • 登録期間の事前確認:これも不正受給の対策の一つですが、申請する前に第三者の事前確認が必要になりました。会計事務所や行政書士、商工会議所などが事前確認が可能な機関として登録されます(登録を希望した場合のみなので、会計事務所等であれば全て事前確認が可能というわけではありません)。給付金の趣旨や対象者をしっかり確認しないで申請してしまうことを防ぐ意味で、手続き上必要になりました。

 

おわりに

全てを説明することはできませんが今回の給付金は要件等がかなり細かく示されており、一定の不正受給の対策にはなっていると思います。ただ、給付の対象になるかどうかの判断に迷うケースは今回もあるのではないでしょうか。その辺りは実際に事業をされている方が一番理解されていると思いますが、給付要件や必要書類は少し複雑になっていますので、早めに準備をしておいた方が良いですね。また、期限が5月末となっていて、3月決算の会社は確定申告の作業と並行してやらないといけないので、特に忙しくなるかもしれません。

 

ちなみにですが、一時支援金は日本語のページしかありません。ブラウザの翻訳機能を使ってある程度は対応できると思いますが、要件などを正確に理解して申請する観点からは積極的にお勧めはあまりできません…。